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それなりに長さのある文章置場兼描いたもの置き場。 よそ様のお子さんをお借りすることもあります。その時は親御さんの名前を明記いたします。
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お題に沿って文章を書こう!

7.まねっこ

マロミルというよりモア家がいちゃいちゃしてます。
こんな日常送ってくれ~~!
この話に関してはDMでお話させてもらったの元にしてます!

ミールさん、マイラちゃん、リアムくん(@ことりさん)
お子さんお借りしました!書かせていただきありがとうございます!










毎朝のジョギングが結婚する以前よりも楽しみになったのは、復路のコースで決まってとある考え事をするようになったからかもしれない。
昨日はトージョウ風に味噌汁と焼き魚だった。おとといはたっぷりの野菜をとろとろに煮込んだミネストローネ。その前はスパイシーな香りが食欲をそそるタンドリーチキン。
さて、今日はどんな匂いが出迎えてくれるのだろう。

オムレツだろうか。たまごの焼ける匂いとバターの香りがふっと鼻をくすぐった。
ダイニングへと近づくと、野菜の甘い匂い。チンとベルが鳴ったあとにトーストの香ばしい匂いも漂ってきた。

「おはよう、ミール。今日の朝食はヘルシーな気がする。」
「あら、そのほうが好きでしょう?」

ふんふんと上機嫌に鼻歌を口ずさみながら、まるで踊るようにサラダボウルをテーブルの上に載せる。
早朝の習慣であるジョギングを終えて帰ってきた夫に、ミールはおかえりなさい、とにっこりと微笑んだ。

「まあね」
素直に肯定の返事をして、テーブルに視線を落とす。
レタス、キュウリ、パプリカ、アボカド、クルトン。近くに置いてあるのはミール手作りのシーザーサラダドレッシング。
みずみずしいパリッとした葉っぱを見るにつけ、新鮮なのがよく分かる。
早く舌の上で味わいたいと急く気持ちを、口内にじゅわりと溢れてくる唾液と一緒に呑み込んだ。

「ちびたちは?」
「まだおねむ」
「じゃあ起こして連れてくるよ」

ヨロシクね~と陽気な声を背に受けて、マロウはいまだ夢の中であろう子どもたちの眠る寝室に向かった。
メロルが起き抜け大暴れして毛布を離さないのももう慣れっこだし、「ごはんいらないんだね」と脅かせば大人しくなる、このコントももう何度目だろう。

大声で呼んでも頬を軽く叩いても起きないマイラにため息をつきつつ、その小さな身体を抱きかかえる。
「パパー、レミーも!」
ほら、ねてるからだっこして!と、ベッドにばたりと倒れてピクリとも動かなくなる。父親が部屋に入るなり飛びついて元気にあいさつをした君が何を言うか、とずる賢いのか分からない駄々っ子に頭を抱える。

「ねえリアム。レミー、赤ちゃん返りしちゃったみたいだから、パパの代わりにお世話してくれない?」
そう、しっかり者のリアムに向かってウィンクすると、聡い彼は承知したとばかりにこくりと頷いた。
「わかった。レミー、いいこだね。ひとりでおきれる?」
「パパ!」
レミーはがばりと起き上がった。

まだ4歳足らずで云わずとも察することができるリアムも、悪ノリが通じないと分かれば早々に見切りをつけるレミーも、我が子ながら賢く育ってくれたものだと自惚れてしまう。

何かおいしい物を食べている夢でも見ているのだろうか。肩のあたりをよだれででろでろに汚してしまうマイラも、ドタバタと廊下を走り抜けては一番乗りだとダイニングテーブルの前でふんぞり返るメロルも、手がかかるならそれはそれでとても愛しいとも思う。


「みんな席についたわね?それでは、」
『いただきます!』

「ママ、おいしい!」「ソースとって!」「これはメロルの!マイラはそっち!」
わいわいと賑やかな朝食が始まったかと思えば、どの皿も次から次へと空っぽになっていく。相変わらず良い食べっぷりだ。
まあ、おいしいからしょうがない。子どもたちの食欲の理由が誰よりもよく分かるマロウは慈しむように目を細めた。

夫婦並んで洗い物と食器のフキンがけを済ましてしまうと、マロウは出かける準備を始めた。
頭に入ってはいるものの、万が一ということもある。端末で一日の予定を今一度確認して、玄関で見送りをしてくれる妻の頬にキスを落とす。

「行ってきます」
そう言ってドアノブに手をかけたところで、キャーという子供特有のかん高い歓声がマロウを引き止めた。
振り向くと、四つ子がおしくらまんじゅうをするようにくっつき、揃いも揃って自分の頬に手を当てている。

なんというか、その、可愛いことこの上ない仕草なのだが、まとめてぎゅうぎゅう抱きしめたい衝動に駆られているのだが、何をしているのかはさっぱり理解できない。
ミールに助けを求めて視線を送ったが、彼女も苦笑を返すだけだった。

「レミーしってるよ!ちゅーするのはね、ラブラブだからなの!パパとママはラブラブなのね!」

レミーのその言葉に、再びキャーキャーとはしゃぐメロルたちの声を聞きながら、なるほどとマロウは脱力して肩をすくめた。
対してミールはというと、「やだ、バレちゃった」とイタズラっぽく舌を出すものだから、さらにキャーキャーの勢いは増すのだった。

うーん、これは収まるのに時間がかかるぞ。さて、どうタイミングを読んで家を出よう。
頭をひねっていると、マイラの声で思考が中断させられた。

「マイラもちゅーする」

家族全員の視線を一身に集めながらも、マイラはぽやっとした表情を変えることはない。
新しい遊びを見つけた時とよく似た光を瞳に宿して、レミーはマイラの言葉に同調する。

「レミーもちゅーする!ママもパパもマイラもリアムもメロルもだいすきだもん!ラブラブだもん!だからちゅーする!」
大声で宣言するなり、隣にいるマイラの頬にキスを贈る。
マイラはメロルに、メロルはリアムに、リアムはレミーに。それぞれの頬にキスを贈り合う。

「あら、まねっこされちゃったわね」
困っている風を装いながら、ミールは頬に手を置いた。心底幸せそうな顔をして、全く困っていないのが見え見えだ。

「パパ!ママ!しゃがんで!」

二人仲良く子どもたちにキスされながら、マロウとミールは顔を見合わせて吹き出した。






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