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それなりに長さのある文章置場。 企画っ子とか自宅学生とか自宅っ子とか…とにかく入り乱れで妄想を書き散らかしてます。 よそ様のお子さんをお借りすることもあります。その時は親御さんの名前を明記いたします。
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postmanさんからのお題その2!
「アンダンティーノで愛に来て」です^^

樽×冬子先生で、とりあえずお付き合い後。2月だけど学年いくつなんだろ…ずいぶんと樽が丸い^^^
樽寄り神視点です。

というわけで、芽衣さん宅冬子先生をお借りしましたー!
あとゲストで有理先生(@壱屋さん)と息吹(@拙宅)も。






2月の外気はダウンを着込んでも堪える。
樽は気休めにしかならないのを承知しながら、抱え込むようにして両腕をさすった。
全国各地、ましてや都会ならば3分も歩けばたどり着ける“コンビニ”という場所が極楽にさえ感じる。
それほどに、店から一歩踏み出した2月初旬22時の空の下は寒かった。

コンビニで肉まんを二つ買った。
一つは自分の分。もう一つは、これから向かうマンションの住人の分だ。
無論、マンションの住人全員に割って配るのではなく、その内の一室に住まう女に渡すつもりだ。

「さっみ」
当初の予定ではその女と同じ場所で肉まんを食べるつもりだった。
しかし想定外のこの寒さ。樽は早々に予定を変更し、レジ袋から肉まんを一つ取り出した。
そして躊躇わずに口に運ぶ。
足りなければ部屋に着いた時、女から奪えばいいのだ。買ったのはこの自分なのだから。

大通りを過ぎ、脇道に入ると辺りは急に暗くなる。
ぽつりぽつりと灯る街灯の電球は切れかかっていて、その心もとなさといったらない。
アイツもこんな道を毎日通っているのか、そう思うと心配よりも先に苛立ちを覚えた。
ただでさえ気弱そうな見た目をしているのだ。加えてそれがハッタリじゃないときた。
逆に変質者に目をつけられていないのが奇跡的だ。
「あーイライラする」
肉まんを食べ終えてしまったことも手伝って、樽の足取りは自然と速さを増した。


アンダンティーノで愛に来て


「あ…えっと……そ、そのね、あの……」

樽はこれ以上ない顰め面で女の眉間を睨み据えていた。
理由は二つ。
一つ目は、この、よそよそしくしどろもどろな全くはっきりとしない女の態度。
二つ目は、自分が門前払いに遭っている現状、だ。

誰が予想するだろうか。彼氏が自宅に訪ねてきたというのにこの扱い。
当然、理由がなければ引き下がることなどできない。

「で?なんで入っちゃダメなの?」
樽はわざと抑揚のない声で問いただした。彼女がこの手の言及を苦手としているのを知っているからだ。
「……ごっごめんね…!お、おこらせるつもりじゃなくって!!」
効果は覿面。冬子は泣きそうな…いや、すでに瞳を潤ませながら弁解の声を上げた。
「じゃあ教えてよ。なんで?」
「えっとね…今、友達が来てて…。その、樽くんと鉢合わせするとまずいから…」

なるほど、樽はすっと視線を足元に下ろした。
つまり、先客がいるからという理由で寒空の下に放り出されているわけだ。
その友達とやらが男だったら、冬子を払い除け問答無用で押し入り一発かまそうかと考えた。
この女に限って男を連れ込むなんて有り得ない、と確信しつつも念のため聞くことにした。
「で、その友達って女?」
「あ、うん。」
これで警察沙汰にならずに済んだ、と樽はレジ袋を握る手の力を弱めた。

「じゃあさ、帰ってもらえないの?」
「……え」
(あーこりゃダメだな)
冬子は明らかに視線を泳がせている。言いにくいことを言えずにいるときのクセだ。
いや、動揺すれば人間だれしもがする行動の一つだろうか。
とにかく、冬子がわざわざ言葉にせずとも、その答えが「イエス」なのは明らかだった。

「…了解。いいよ、俺帰るから」
樽はひらっと右手を振ると、一歩足を引いた。
「え!!あっそんなっ!」
遠ざかる樽の腕を、冬子は咄嗟に掴んだ。
未だ潤みを帯びている両の目が、樽をじっと見つめている。
まるで物欲しそうなウサギのようだ、だったら自分は狼になって食べてしまおうか。
そんな不埒な思いが脳裏を過ったが、数度まばたきをして振り払う。
「部屋入ってもいいの?」
「う…それは……」
なるべく優しげな声で樽が問うと、冬子はしょげた様子で手を離した。

「無理なんでしょ?だから俺は帰ります。ああそうだ。はい、これお土産」
「……え?」
「肉まん。一つしかないけど」
樽はもうすっかり冷め切っているであろうそれを、レジ袋ごと冬子に差し出した。

先ほどまでは存在を忘れていたのではなく、そのままなかったことにしてしまおうと考えていた。
こんな冷え切ったものをこんな時間に渡されたところで、正直迷惑なんじゃないか。自分ならばそう思う。
だったら持ち帰って自分で食べるか、捨てるかの二択。
しかし、生憎もう一つ腹に肉まんを詰められるほど胃袋に余裕はなく。
ましてや捨てるなんて問題外だ。(学生の懐はそれほど温かくない)

そこでちょうど名案をひらめいたから、渡すことに決めた。

「ありがとう…!あの、じゃあお金…!」
財布を取りに行こうと背を向ける冬子に、樽は静止の声をかける。
「待って」
落ち着き払ったその声音は、まるで彼女がその行動を取ると分かりきっていたようだ。
「お金はいいから。言ったじゃん、お土産だって」
「あ、うん…。でも、いいの?」
「いいって。あーだけど、」
樽はわざとらしくそこで一呼吸置いた。
そんな樽の作為に気付かない冬子は「だけど?」と首を傾げて鸚鵡返しをする。

「せっかく来たのに部屋にも入れないでこの寒空の下だぜ?
生徒にそんなことさせて、それってどーなの。ねー、せんせー?」

「あ…う…」
冬子はばつが悪そうに俯いた。確かにその通りだ。ぐうの音も出ない。
教師失格だ、とただただ縮こまるばかりの冬子の頬に、急に冷たいものが触れた。
「ひゃっ」
驚いて上げた小さな悲鳴は、次の瞬間には温かなものに飲み込まれていて。
その温度差に怯んで、事態を理解したら、脳はショート寸前。
冬子が耳を真っ赤に染め上げたのは言うまでもなく。

「これで我慢するよ。じゃ」
冬子からゆっくりと顔を離すと、樽は満足げな笑みを残して去って行った。

「樽くん…それは反則…」
自分の唇に触れながら、冬子はへなへなとその場にしゃがみ込むしかなかった。


「ふゆちゃん、随分経つけどだれ……って、ええ!?だ、だいじょうぶ!?」
玄関に座り込む冬子に、彼女の先客である友人は血相を変えて駆けつける。
事態は飲み込めないが、何かあったのは確かだ。
まるで茹でダコのような冬子の様子に、とりあえず暖房の温度を下げるべきだろうかと考えるのだった。

よろよろと力なく立ち上がる彼女の手に、レジ袋がしっかりと握られているのがどこかアンバランスに見えた、
というのは、後に語る友人の談。


「次会ったらぜってーキスだけじゃ済まさねえし」
そう独り言つ樽の声は白い息とともにふわりと浮いた。

 


「彼女の家に行ったら友達がいるからダメって突っぱねられたんすよ。」
「へー」
「その友達、同棲中の彼氏と喧嘩したんすかねぇ?って、ハハ、んなわけねえk」
「ゴッホゴッホ」
「!?ちょっ、草臥先生大丈夫っすか?なに急にむせてんの!?」
「…いや、コーヒーが気管に…」
「……図星っすか?」
「違う。」
「ぜってーそうだ。図星だ図星。先生もそういうことあったんだー」
「だから違うっつってんだろ。お前はいいから教室帰れ!なんで地学準備室にいんだよ!」
「ラーメン食べに来ただけじゃん。生徒に向かってひっで!」
「あーはいはい。湯はやったろ。帰れ」(くっ息吹とのこと見透かされたかと思ったじゃねえか…)

実は友達=息吹でしたっていうオチ\(^0^)/

 

 

++++++++
樽冬フウウウウウ!!!!
冬子先生大好きーー!!

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