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それなりに長さのある文章置場。 企画っ子とか自宅学生とか自宅っ子とか…とにかく入り乱れで妄想を書き散らかしてます。 よそ様のお子さんをお借りすることもあります。その時は親御さんの名前を明記いたします。
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さめがねについて頑張ってみた結果がこれだよ!!長すぎなんだよ!!
中学時代までは触れられませんでしたが、家庭環境についてはこんな感じかな、と。中学時代は城居さんのお言葉を参考にいじめうんぬんかんぬんを妄想中ですー

鹿山ユンさん宅のルカちゃんの存在お借りしてます!ほんのり鮫ルカチックなものの鮫がひどいやつです…。
最後のシーンはルカちゃんと再会する前ということで…

ルカちゃんに大切なもの気付かされて四天王のお二人に根性叩き直されればいいと思うわけですよ!



そうちゃんそうちゃん、うちな、大きくならはったら そうちゃんのおよめさんになってたいの」

そう嬉しそうに裾を引くルカに、俺は何も言葉が出ずにただ顔を赤くしていた。
真に受けていたわけではないし、ましてや成長したルカにはそんな約束をしたこと自体記憶にないだろう、とも。


俺が小学生の時、父親と母親は毎日のように怒鳴り合っていた。
だから、感づいていた。ああ、そろそろ終わりなんだろうな、と。
二人とも嫌いだったが、どちらについて行くのがましか考えたとき、弟も俺も母親、と意見が一致した。
少なくとも母親は俺たちを殴りはしない。俺たちは単純に力の強い父親が怖かった。
父の暴力の一端は母の男遊びにあったものの、それでも俺たち子供には優しい母が味方だと思えた。
母とともに暮らせば、一晩中男の家に入り浸って帰って来ないかもしれない。しかし耳障りな高いびきを聞かされ、いつ起き出して暴力をふるわれるのかとビクビクするよりはよっぽどましだと思えた。


「今からお前は俺と一緒に東京に行く」

いつか来るだろうと思っていた。けれどそれは自分の想像よりもよっぽど身近にまで迫っていた。父の言葉が何度も脳でリフレインして、弟とのささやかな離婚後の未来図は冗談まじりに笑い飛ばしていたのを思い出した。
「お父ちゃんと…?」
おそるおそる口にした声は、すぐに父の鋭い目つきに消された。
「不満か?」
乱暴に肩を掴まれ、それ以上何も言えずに反射的に首を横に振り続けた。

自分の荷物は驚くほど少なく、俺はリュックサックと手提げを一つ持っているだけだった。父に言われるがまま歩き続け、電車に乗った。
弟は母親に引き取られるらしい。そう、隣に座る父から聞かされた。
車窓から見える京都の町並み。俺が育った町。いつかきっとここを故郷と呼ぶ日がくるのだろうか。
漠然と眺める景色の中に、ちらと見覚えのある公園。

(ルカと、よく遊んだ…)

ふと、最後にルカと交わした会話はなんだったろうかと考えた。
きっと何気ないことで、ルカの頬を膨らませるようなことを口走ってしまったかもしれない。
「バイバイ」じゃなくて「またね」ってそれぞれ家に帰った。
ルカは当然のように今も、翌日には俺に会えると思ってる。無断でいなくなったって知ったら、ルカはショックを受けるだろうか?悲しむだろうか?
ルカが怒ったってなんとも思わなかった。だっていつものことだ。
でも、悲しむ顔だけは見たくないと思った。ルカを泣かせるやつは誰だろうと俺が許さないって。

(ルカを泣かせてるのは、俺じゃないか)

居てもたってもいられなくなった。ちょうど駅に着く。
「壮介!?」
父親の制止も聞かずに俺はドアまで走った。今なら走ってルカのところまで行ける。
せめてお別れを言わせて。俺の口から東京にいることを伝えさせて。
ねえ、ドアよ早く開いて…!!

「やった!」
開きかける、そのときだった。

「どこに行く?」

手首を掴まれる。父親が俺を見下ろしていた。
視線だけで人を殺せるのだと思い知った。俺の脳内は真っ白に塗りつぶされて、がくがくと膝がうるさく震えて、足は一歩も動かなかった。
プシューとドアが閉まる音を、背中で聞いた。
体の芯が冷たい。涙も凍って流れなかった。

「…なんでも、ない」

もう終わりなのだと、凍えそうな脳みそが俺にそれだけ伝えて黙り込んだ。



「壮介くんは今回も100点ね、お父さんも喜んでるでしょう?」
「…おおきに。せやけど、どうだろ…」
担任の女の先生はにっこり笑ってて、俺は苦笑したフリして赤い色した1と0と0の数字を見下ろしていた。

「ただいま」
家に帰ってもだれもいないことは知ってるから、ランドセルを床に叩きつけてピカピカ光るその表面を何度も何度も踏みつけた。
同年代の子のランドセルはみんな同じようにボロボロだから、だれも俺が毎日こんなことをしているなんて知らない。
今日もらった算数のテストはぐちゃぐちゃに丸めてゴミ箱に捨てた。あいつに見せたところでどうせ褒めてくれやしないし、そもそも見せようなどという気も起らない。

はずれくじを引いただけだ。

始めはそれで父親を、母親を、弟をひどく憎んだが、今はそんなことどうだっていい。
あのろくでなしを「自分の汚点、重荷」だとそう割り切れば、驚くほど気持ちが楽になった。
殴ることでしか子供に自分の強さを誇示できない、かわいそうな大人。
あれほど怖かった父親の暴力も、不思議と恐怖心は起こらなくなった。

相変わらずあいつは気に食わないことがあれば俺に当たった。首を絞められたこともあったし、頭をひどく壁に打ち付けたこともあった。このまま死ぬんじゃないかと何度脳裏をよぎったことだろう。
そのたびにあいつは俺を病院に運んだ。泣いた。俺を思い切り抱きしめた。

「許してくれ、壮介…なあ、すまへん…」

殺してやりたいと思った。
父親に懇願されるたびに、家を出て行く自分ではなく、首に手をかける自分がイメージされた。
こいつが死ぬときはきっと俺のことを見上げて、いつものように「許してくれ」と苦しそうにうめくのだろう。最期に俺の顔をかっと目を見開いて、けれどだんだん焦点が合わなくなっていって…。

だからこそ、ある日突然父親に「家を出て行け」と宣告されたときは驚愕した。
しばらくして自分の殺意に感づかれたのかもしれない、危ぶんだが自分にとっては好都合だっただけに、喜んで父と二人で生活していたアパートを後にした。

それが中学に上がってすぐだったか。
父親が俺を虐待していたことは明らかだったから、すんなりと施設で同じ境遇の同年代の他人と生活を共にするようになった。
思えば笑顔とは表現しづらい表情で出迎えたここの住人もまた、俺の生き方を形作った要因の一つなのかもしれない。


「脳みそってのはなぁ、いい子ちゃんよろしく机に噛り付いて紙に垂れ流してるだけじゃそこらのバカ共と変わんねえんだよ。使い道考えろよ、なあ分かるか?あんたを買ってる俺の気持ち分かれよ…な?」

今の俺をルカが見たらどんな顔するんだろうな。
ショックを受けるだろうか?悲しむだろうか?

どうだっていいと思えた。どうせ俺の目の前に現れることはないのだから。
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