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それなりに長さのある文章置場。 企画っ子とか自宅学生とか自宅っ子とか…とにかく入り乱れで妄想を書き散らかしてます。 よそ様のお子さんをお借りすることもあります。その時は親御さんの名前を明記いたします。
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お題をもとに書きたいなーと思い。
こちらからお題をピックアップしていこうかと!ここのお題どれも素敵で妄想掻き立てられる^///^ふふふ

というわけで、まずは、「128. 二人乗り紙ヒコーキ」を!
千→みつ。千空ちゃん視点という暴挙です…城居さんすみません!!(土下座)

城居さん宅千空ちゃん、ちょこっと向さん宅サチちゃん。会長の存在もちょろっと。

では追記に~




 

「何人乗りですか?」

「……え」


その沈黙にすぐに後悔した。ああ、言わなければよかった。
 


二人乗り紙ヒコーキ


窓から西日が差して、狭い生徒会室はぼんやり茜色。
わたしは気まずくて何も言えず、頬に当たる光を甘んじて受けていた。

生徒会室には鳥間先輩とわたしの二人だけ。
大きめの机に二人向かい合わせで座っている。
さっきまでは会長もいたけれど、嵐のように去って行ってしまった。
本当に嵐みたいで、「二人きりになるから行かないでくれ」と引き留める余裕すらなく…

カサリ

「っ!」

わずかな物音にでさえこうやって肩をびくつかせる始末。

「あ、ごめん!びっくりさせちゃった?」
「あ…いえ」

先輩にいらぬ気を遣わせていると思うと、もう消えてしまいたくなる。
なのに胸はどくんと大きく鼓動を打つのだから自分勝手。

先輩の笑顔を見られると嬉しい。
ほかでもない先輩の、困ったような笑顔が好き。
それで今度はドクドクと鼓動が速くなるのだ。


先輩は机の端に積んであるプリントを一枚手元に引き寄せた。
何をするんだろう、と様子を窺う。

「紙ヒコーキをね、作ろうと思って」
わたしがじっと見つめていたからだろう。先輩は察してそう言ってくれた。

「紙ヒコーキ…」

一呼吸置いてから返事をする頃には、プリント用紙はもうほとんどヒコーキの姿をしていた。


「じゃーん」

先輩は得意そうに完成した紙ヒコーキを掲げた。

すごい!
そう思ったのに、はたと言葉が喉元でつっかえた。

どんな反応をすれば先輩は喜ぶの?
こんなありきたりな感想を言ってガッカリさせてしまわないだろうか?

「千空ちゃん…?」

はっと顔を上げる。
先輩がわたしを見ていた。不安げな顔で。
わたしが考え事をしていたから。だからこんな顔をさせてしまった?

なにか。
なにかなにか、
なにか、言わなきゃ。


「何人乗りですか?」

「……え」

その沈黙にすぐに後悔した。ああ、言わなければよかった。

「…ごめんなさい」

なかったことにしたい。時間を巻き戻したい。
好かれたいなんて贅沢言わない。でも、嫌われたくない、そのくらいの我儘なら許してもらえるって…
神様、それすら贅沢だったんでしょうか?

「いやいや謝らないでよ!ちょっと虚を突かれたというか…あはは」

おそるおそる顔を上げると、先輩は人差し指で頬を掻いていた。困ったように笑いながら。
その顔を見たわたしも、きっと同じような顔をしていたと思う。


「そうだなぁ、一人…いや二人乗りかな」

先輩は紙ヒコーキをまじまじと見つめながらそう言った。
指で間隔を測りながら、真剣にそう答えを出した。
確かに一人では広く、三人では窮屈そうに見える。だから、二人乗り。

そのヒコーキに乗る人は決まっていないのだろう。
先輩でも、わたしでも、あの人でもなくて。ただの二人乗りなのだ。

ガタッ

椅子を引きずる音。
先輩が身を乗り出して、今度はペンやハサミの刺さっているペン立てを手繰り寄せていた。

何をするのかと聞いてみれば、「内緒」と返される。
わたしはそれ以上は追及せず、黙って先輩の手の動きを追った。

もう一枚プリント用紙を引き寄せて二つに折る。そこにハサミを入れる。
何かの形…ちょうどトイレのマークのような、ヒトの形だ。それが2体。
そのヒト形にペンで何やら書いているようだが、反対の手で隠されて見えない。
先輩はその2体のヒト形を、先ほど作った紙ヒコーキにセロテープで固定した。
ちょうど二人、紙ヒコーキに乗っている。

「ほら、ちょうどいい」

先輩はそう言ってわたしに紙ヒコーキを手渡してくれた。
乗っているのは二人。

先輩と、わたし、だ。

なぜそうだと分かるのか。
名前が書いてあるからだ。「鳥間みつる」「千空ちゃん」

確かに、先輩と、わたし。

なんと返せばいいのか分からない。わたしは戸惑っていた。
喜んだらいいのかな。

でも、それはできない。
だって、わたしにもこれは分かるから。

「先輩、」


---------------

生徒会室の扉が開けられた。
会長が戻ってきたのだろうか。ほっと息をついてそちらを向くと、別の人が立っていた。

「ミっつんいるー?」

「あ」

「あ、千空ちゃんもいたんだ。わーなんかごめん!いきなり」

珠西先輩だ。鳥間先輩と仲がいいから、同じ生徒会役員のわたしの顔も覚えてもらった。

「ほんとほんと心臓に悪ーい!縮んだ10年どう落とし前つけてくれるんだっつの」
「うっさいトリ!」

こんな風に、顔を合わせれば漫才みたいなやり取りをする。
珠西先輩と“ミツル先輩”が話しているのを聞くのは好きだ。

ミツル先輩は唇の端をきゅっと吊り上げて笑う。眉はハの字にはならない。


二人乗り紙ヒコーキはわたしの腕の中にある。
乗っているのは二人。

わたしと、先輩。

いや、正しくは、

わたしと、“ミツル先輩が乗せた”鳥間先輩。


---------------


「先輩、もう鳥間先輩のフリしなくていいですよ」


二人乗り紙ヒコーキが嬉しいよりもどこか寂しいのは、きっと届くことのない片想いのせい。




++++++++++
もうずっと前から千みつで何かしたかったのでようやっと念願叶いました…!
千空ちゃん幸せになって…!;;

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