「そうそう、ここで君がさ、つまずいたんだよね。」
「あと、ここでステップ一個飛ばした。」
「ここ、ここ!俺の靴を踏んだんだよな。」
などと、せっかくのムードも台無しに、ロイドは当時のスーのダンスについて楽しそうに話し出す。
スーだって経験を重ね、いくぶんかダンスの技術も上達したので今では同じミスをしたりなどしない。
が、
この人の嬉々とした表情は一体なんなの!
まるでこうやって揚げ足を取りたかったがためにダンスに誘ったようなものではないか、
と、だんだんと自分の額に青筋が立ち、頬が強張っていくのが分かる。
「あなたって本当に、サイッテー!!!」
スーの怒声が屋敷内に響き渡る、数秒前のこと。
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こんなロイドくんが好きなんです、という…そんな主張…。